2009年7月15日
放射光の不思議
放射光そのものが理論的に予測されたのは1946年。翌1947年に電子シンクロトロンで実際に放射光が観察された。当時、放射光は素粒子実験用の加速器にとって、エネルギー損失に過ぎないとみなされていた。
この欠点を逆手にとって、積極的に物性研究に利用しようというのが、放射光研究のスタートだった。最初の本格的な研究は1963年、アメリカNBSで行われた真空紫外光による分光実験である。日本でも1965年に東大原子核研究所(田無市)の電子シンクロトロン(INS-ES)で一連の実験がなされている。ただし、これらの実験はいずれも、加速器から捨てられる光を一時的に使用するという"寄生的"な実験に過ぎなかった。 初期の放射光は真空紫外の波長領域に留まっていたが、その後、電子-陽電子衝突実験用の加速器の電子エネルギーが増大していくことに伴い、より短波長のX線領域の放射光が得られるようになった。また、高エネルギー加速器に素粒子を供給する「蓄積リング」を共用することで、より安定した放射光が供給されるようになった。こうした実験環境の整備に伴い、放射光実験の有用性が広く認識されるようになった。
1970年代からは、放射光専用に設計された「第2世代」が造られるようになった。日本では1975年に世界初の放射光専用リングSOR-RINGが立ち上がっている。1982年には筑波の高エネルギー物理学研究所(当時)に「フォトンファクトリー」が完成した。この加速器はその後も改良を続け、現在でも第一線級の放射光施設として運用されている。
1990年代以降、「アンジュレータ」を組み込んだ「第3世代」の建設が世界各国で始まっている。アンジュレータによって、極めて高い輝度を得ることができる。このような技術が可能になった背景の一つは、ネオジム磁石のような強力な磁石が開発され、強い磁場を安定して加えることができるようになったことである。2009年現在、稼動している第3世代放射光施設としては、SPring-8(1997年、理研・原研、日本)、APS(1996年、米国エネルギー省)、ESRF(1994年、ヨーロッパ18カ国共同開発、フランス)などがある。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
和歌山毒入りカレー事件で亜ヒ酸の分析に用いられたようです。
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